2023年度中央大学法科大学院ガイドブック
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犯罪が繰り返されないようにするにはどうすれば良いかを忘れず、冷静かつ多角的視点から事件関係者の声を聞き、真相解明に努めていきたいと思います。中央大学法科大学院 14私は、高校生のときに刑事裁判を初めて傍聴し、その際、女性検察官が犯罪に及んだ背景事情を鋭く被告人に質問している姿に感銘を受け、法曹を目指しました。大学時代に様々な法曹の先輩方とお話させていただき、検察官の仕事は、刑罰法令を適正かつ迅速に適用実現するため、事案の真相を解明するとともに、取調べ等を通じて被疑者と向き合い、社会復帰後の被疑者の更正にも尽力することができると知り、検察官の志望が固まっていきました。中央大学法科大学院に入学を決めた理由は、ロースクール制度が始まる前から多くの法曹を輩出した学校であるからこそ、そのノウハウのもと、綿密で多彩な学修支援体制が整っていると思ったからです。また、合格後を見据え、多様な分野で活躍されている先輩方からの指導を受ける場や交流の場が用意されており、縦のつながりを作れることも魅力のひとつでした。入学後は、教員による法律の基礎知識を理論的な面から学びつつ、実務講師によるゼミ形式の演習等で法的文章の作成を含めた勉強法を教えていただき、インプットとアウトプットの両面からの支援がなされていました。また、個別の自習席が設けられ、毎日友人と顔を合わせる生活をしたことで、勉強への意欲の維持につながりました。私は、現在捜査・公判担当の検察官として、被疑者の取調べや法廷で証人尋問等を行っています。実務では、司法試験科目外の各種法律等も扱うことも多いのですが、そのような初見の法律等を読み解く際、法科大学院での条文の趣旨や判例規範に照らして妥当な結論を導くという思考方法を鍛錬したことがまさに役立っています。今後の目標としては、事件は、たとえ同じ罪名であっても、関係者も違えば事件の背景も異なり、行うべき捜査・公判活動も異なります。これからも、今後、同様の犯罪が繰り返されないようにするにはどうすれば良いかということを忘れず、冷静かつ多角的視点から事件関係者それぞれの声を聞き、事件の真相解明に努めていきたいと思います。勉強をしていると様々な悩みが出てくると思いますが、中央大学法科大学院にはその悩みを解決しようとしてくださる教員や事務職員の方、悩みを共有できる友人がいます。今の法科大学院での頑張りは絶対に人生の糧になります。[2017年 修了]清水 愛衣加横浜地方検察庁小田原支部検事(2022年3月現在)検察官

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