2023年度中央大学法科大学院ガイドブック
11/40

ビジネスの知識も必要なのが、企業法務の仕事です。時代の変化に対応できるように心がけています。外資系法律事務所で働くうえでもベースとなっているのは、法科大学院で学んだ日本法の知識です。メッセージ動画がすぐに観られます!企業法務中央大学法科大学院 10法科大学院生活の思い出として印象に残っているのは、授業のレベルの高さもさることながら、クラスメイトのレベルも高かったという点です。クラスメイトの存在は常に自分のモチベーションにもなっていましたし、授業や自主ゼミを通じて、色々な意見に触れることができたのが、効率的な勉強につながったと思います。現在は、外資系法律事務所にて、ファイナンス取引に関する契約のレビューなどを主に行っています。取り扱うのはほとんどが英文の契約書ですが、ベースとなっているのは、受験時代に得た日本法の知識です。案件のほとんどがクロスボーダーな取引を扱っているので、他国の法律や法制度に触れる機会も非常に多く、日本法にはないコンセプトを理解して日本のクライアントに伝えたり、逆に外国法にはない日本法のコンセプトを海外のクライアントに伝えることもよくあります。これは常に難しさを感じる一方で、やりがいのある部分でもあると感じています。渉外法務と聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、私自身は入所以前に留学や海外での生活の経験が無く、そもそも英語もあまり得意ではありませんでした。そのため、入所当初は契約書を一つ読むのにも苦労しましたが、今では日々の業務を通じて自身の成長を確かに感じています。企業活動の国際化とともにリーガルサービスの国際化の動きも今後益々加速していくと思いますので、英語力を含め弁護士が国際的な舞台で活動する能力を身に着けることは非常に有益だと思います。[2009年 修了]金子 正紀西村あさひ法律事務所今の仕事では、M&A、ベンチャー法務、コーポレートなどの企業法務を中心に携わっています。いつも心がけているのは、クライアントのニーズに過不足なく応えること。そのためには事前に相手の話を聴く作業が大事です。無理難題のような事案でも、どうすれば解決できるのか、どこまで突き詰められれば納得がいくのか。丁寧に聴き取って実務家としてアドバイスしています。企業法務専門の法律家を志したきっかけは、法科大学院3年次に受講した展開・先端科目群の授業でした。当時、流行していたM&Aを取り扱う講義では、法律だけでなく、ビジネスに関するさまざまな知識を総動員して法務を扱っていく姿勢を学びました。今後は自分の力で顧客を獲得できるようなネットワークを育みながら、時代の変化に合わせた幅広い専門知識を身につける必要があると考えています。また最近は、「リーガルテック」にも興味があります。リーガルテックとは、法律(リーガル)と技術(テクノロジー)を組み合わせた造語で、法律業務を支援するテクノロジーのことであり、それが活用される場面は多岐にわたります。リーガルテックとの向き合い方はさまざまで、弁護士の知識・経験を活かしてソフト開発に携わる人もいれば、業務を効率化したりする人も出てくるでしょう。企業法務に携わるビジネスローヤーとしてこのような最新のテクノロジーとどう向き合うのか。時代の変化に柔軟に対応できるような弁護士になりたいですね。[2015年 修了]西村 佳祐ホワイト & ケース法律事務所ビジネス・ローヤー渉外・国際関係法ローヤー

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る