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※「会社法」は2021年度新設科目であるため、従来の「商法Ⅰ」「商法Ⅱ」に関する メッセージを掲載しております。1年次必修 会社法では、実際の紛争を意識しながら商法・会社法の基礎的な知識を習得することを目指しています。その際、重要になるのは、各論点における条文・学説・判例等に関する知識をばらばらに覚え込むのではなく全体を体系的に理解することと、具体的な事実を規範に正確に当てはめる能力を磨くことです。例えば、株主総会において合併決議が行われた際、取締役が株主の質問に十分回答したかが問題になったとします。その際には、仮に取締役の説明義務違反があった場合、それがどのような道筋によって合併の効力に影響するかを説明できなければなりません。権限分配、総会決議の取消し、この授業を受けて-修了生からのメッセージメッセージ山口 武蔵2020年司法試験合格代表取締役の専断的行為の効力、決議取消の訴えと合併無効の訴えの関係などを体系的に理解していなければ、その答えは導かれません。また、株主の具体的な質問に対して取締役が説明義務を果たしたか否かは、取締役の説明義務の存在を知っているだけでは判定できません。「平均的株主が合理的な判断をするのに客観的に必要な範囲まで説明したか」という認定基準に事実を的確に当てはめる力が必要です。この講義では、受講生全員がこうした能力を身に付けられるようにすることを目標としています。の一端を、正しい法律知識として身に付けることができる授業になっていました。また、会社法は、法律基本科目の中でも条文の数が多い分野のひとつといえるでしょう。勉強やスポーツ、なんにおいても基本が重要であることは間違いではないと思います。条文数の多い会社法をやみくもに学修するのではなく、腰を据えて基礎を固める授業として、会社法の基本原理を学ぶ商法Ⅱは重要で、2年次以降の学修を支えてくれるものになりました。これらの授業が、私の学修の根幹となり、法的素養を備えることができたと思っています。 講義において一番大切なことは、受講生と教員が共に努力をすることで、受講生一人一人が知的興奮と自らの成長を実感できる環境を作ることだと思います。そのためには予習・復習はもちろんのこと、些細な疑問であっても億劫がらずに、また恥ずかしがらずに教員にぶつけることが大切です。みんなで一緒に楽しい講義を作っていきましょう。   中央大学法科大学院野村 修也 教授西南学院大学助教授、中央大学法学部教授を経て、2004年より中央大学法科大学院教授。森・濱田松本法律事務所客員弁護士。金融庁・総務省・厚労省の顧問、郵政民営化委員、年金記録問題検証委員、福島原発事故に関する国会事故調査委員会委員・主査などを歴任。担当教員法律の基本科目が法的素養の備えになる 商人や商号、手形、小切手など聞いたことはあるが、法的な視点からみるとどのような人物のことを指すのか、どのような仕組みを指すのか実際に働いてたりしてみなければ分からないこともあるかもしれません。私もそのうちの1人でした。商法・会社法は法的な定義と社会で扱われている呼称が異なっていることがある分野です。中央大学法科大学院を修了して実務と法律が一緒くたになっているのではなく、正しい知識を備えていることが望ましいでしょう。商法の各分野を体系的に学ぶ商法Ⅰは、まさに、私たちがなんとなく想像していた社会の仕組み授業紹介会社法   実際の紛争を意識しながら、知識を習得する授業紹介 1・2年次必修科目

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